両親の離婚のため、フランスから母の故郷である日本へ移り住まねばならない少女の不安を描いている。幻想的な森をとおして、自分なりに運命を受け入れていく変化がよく現れている。
演出を抑えた自然な描写が特徴だ。少女たちの会話がみずみずしい反面、メッセージ性が弱い。子供はああいうふうにとりとめもなくしゃべるものだけど、それをスクリーンで見ると他人のおままごとを見ているように気恥ずかしい。

フランス映画のようでいて、監督は諏訪敦彦。
日本を知らないほうが楽しめたのかな。
トヨエツのだらしなさと薬師丸のかわいらしさあふれる、前半のコメディタッチがいい。人気カメラマンで浮気性の夫に対して、ことあるごとに家出を企てる妻である。そのやりとりには夫婦の絆がはっきりと見える。それだけに後半のギャップに驚いた。うちのめされて涙が止まらなくなった。
切ない、しかしそこからが長い。ネタバレはもうすこし後にして、もっとあっさりとさせてもよかったんじゃないか。大人向けなんだから、説明はいらないのだ。
けっこう映画を見ているつもりでありながら、この展開は予測がつかなかった。おかげで、存分に楽しめたともいえる。

いつまでも透明感を失わない薬師丸、このひとの魅力につきる。

なつかし心でつい足を運んでしまったところ、意外に楽しめた。
私にとってのヤマトは「さらば」で終わっていたために古代やユキが活躍している世界にびっくりしつつ、ヤマトが飛び立つ勇姿に胸が熱くなった。
デザインは大人目で好感が持てる。「平和な地球になじめない」という設定に問題を感じながらも、成長した古代は頼もしいばかりだ。そして部下はイケメン揃いときた。そんななかでも島さんは相変わらず地味なのねと思ってたら、どうやら弟だった。
無駄な特攻シーンは都知事の原案ゆえか。波動砲を出し惜しみしなければ同僚の死はまぬがれたものを。自爆テロのような行動はいただけない。
完結したかに見えたのに、続きがあるとは2度びっくりだ。

出会いから別れまでの500日を男性の視点で語る、ロマンチックコメディである。
あれは彼女に出会ってから何日目のことだった、というように思い出が再現される。つまり彼女を失ってしまった現在において、なぜ突然ふられたのか?何がダメだったのか?という後悔と、出会った瞬間のときめきや、初めて夜を過ごした天にものぼる気持ち、というふうに時系列を前後して良い思い出と悪い思い出を反芻する男がいるのだ。
同じころを思い出しても、だんだんと受け止め方は変化する。幸せの絶頂だった出来事が、2度と思い出したくないものになる。大好きだった笑顔が憎くなる。そうやって時間がたつにつれて記憶が塗り替えられ、やっと失恋から抜け出せるんだろう。
決定的な理由もなくうまくいかなかった恋愛を描く映画は珍しい。それだけに共感できる。現実の恋愛とは、だいたいがそういうものだからだ。

架空の惑星で繰り広げられる物語は、攻め入る先の原住民と恋に落ちてしまうといった「ダンスウィズウルブス」や「もののけ姫」に見るような、意外にも古典的なテーマだ。
はじめは薄気味悪かった原住民であるものの、部族や自然と強く結びつきながら生きる彼ら知るにつれて、親しみが持ててくる。時間をかけて主人公と同じ気分を味わうようになっているのだろう。恋愛が生まれるころには違和感が消え、全身青いヒロインがセクシーにさえ見えてくるのだ。
3D映像による惑星パンドラの冒険を堪能した後は、ハリウッドの戦争映画そのものとなる。一方的な攻撃に目を覆いたくなった。戦争好きなのか反戦の意図があるのかは、分からない。

ただでさえ疲れる映像なんだから、もうちょっと短くしてほしい。



心に残ったのはこの5本だ。

  1. 空気人形
  2. ディア・ドクター
  3. サマーウォーズ
  4. イングロリアス・バスターズ
  5. ダイアナの選択
邦画は文化圏が同じだけに、共感するところが多い。独特のテーマに挑む若い監督の表現も、冴えている。トワイライト、X-MENのシーリーズものもよかったな。
映画を知らなくても主題歌の「コーリング・ユー」に聞き覚えのある人は多いだろう。私が初めて見たのは1994年のリバイバルだった。またスクリーンで見ることができたのは嬉しい!
ビビッドな色合いのなか、けだるい旋律が流れるとすぐに物語に引き込まれる。喧騒の中のアヴェマリア、にぎやかなマジックショー、孤独なブーメラン...すべてのエピソードが愛おしいなか、特に好きなのはやはり幸福なラストだ。
今でもなお、私のベストムービーである。
マンガやドラマの延長でありながら、オーケストラのシーンがふんだんに盛り込まれたことで映画館で見る価値を得たといえる。脳内妄想シーンもパワーアップだ。
のだめが留学先のピアノ試験で弾くトルコ行進曲もいい。跳ねるようなアレンジに、CG効果が合っててリズムをとりたくなる!コメディながらもしかりとクラッシックを楽しめる。
千秋さま中心の前半に対して、後半はいよいよのだめデビューが待っている。この調子なら楽しみ!
ハイスクール吸血鬼ラブストーリー待望の第2弾は、異形であることを最大限に生かした正統派メロドラマに仕上がった。
今回はエドワードがあんまりでてこないぶん、幼馴染みのジェイコブが活躍する。必要以上に鍛えられた体をさらす彼にもワケがあった。どちらか選べといわれたら、積極的で優しいジェイコブに決まってる。実年齢100才(?)のツンデレ エドワードと付き合い続ける理由がわからない。永遠の美少年と、たくましい年下との間で揺れまくり、どちらを選んだとしても障害が待ち受ける恋にヒロインは、「私のために争わないで」と酔いしれる始末である。
ここまで直球の若いラブストーリーを受け入れることができるのも、幻想の世界ならではだろう。貫禄のダコダ・ファニングはじめ新たな一族がでてきたことでラストは急展開し、続編が待ち遠しくなる。
ナチスによって家族を失ったユダヤ人女性が、復讐を果たそうとする物語だ。
タランティーノ監督の前作「キル・ビル」も同じく復讐とテーマとしていた。あちらが痛快アクションであったのに対し、こちらは非力なヒロインがあっと驚くような武器でドラマチックに対抗する。歴史上の人物が登場するにもかかわらず、復讐をとげるにためには史実を曲げてしまう潔さが痛快だ。
ヘンな役でこそ魅力を発揮するブラピにくわえ、冒頭から出ずっぱりのナチス大尉を演じるクリストフ・ヴァルツが見所となっている。優しそうな笑顔を見せつつとことん相手を追い詰める話術は、いやらしくも目が離せない。あのおじさんにはまた会いたい!

2時間半という上映時間でありながらいつまでも終わって欲しくない、タランティーノ流「ニュー・シネマ・パラダイス」である。