2009年7月アーカイブ

一世を風靡したものの時代の流れゆえ今は落ちぶれたレスラー役に、映画界から忘れ去られていたミッキー・ロークを合わせた設定がうまい。ゆるみきった肉体やなげやりなセリフには、残酷なまでに現実味がある。
プロレス界での自分の位置づけを理解しつつも、かつての名声を捨てることはできない。決して負けを認めようとせず、笑ってやりすごす生き方が痛々しい。そのようななか体を壊したのをきっかけに、身近な女性を愛そうとしたり、冷え切っていた娘との関係を修復しようとしたりと、平穏ながらも暖かい日常が動きだそうとしていた。人生思うようにいかないと言うが、すべては自分が選択した結果なのだろう。どうしようもなく駄目な方向にしか向かないのが、彼の正直な選択だった。
生の鼓動を刻みながらリングに飛び込む瞬間で、映画は途切れる。別の人生に向かったのだと思いたい。
この夏いちばんの楽しみだったというのに、途中で何度か寝てしまった。大音響で目が覚めて、いつの間にか舞台がエジプトになってていもまったく問題なしというのも嬉しいような悲しいような。ただただロボット(生命体)がガチャコンガチャコンとトランスフォームするのを堪能するのみ。原型をとどめないほどに変形するので、敵か味方かも分からない。それでいてまったく問題なし。とにかく頭をカラッポにして楽しめるのがこの映画の醍醐味なのだ。90分ぐらいにとどめてくれるとなお良かった。続編はやはり楽しみ!

ミーガン・フォックス色っぽすぎ!
謎を秘めながらも解決のないストーリーがいいと思っていたのに、今回の作りなおしで説明が多くなり魅力が半減した。登場人物たちもセリフが増えたためか、性格がつかみやすい。14歳という年齢設定は変わっていないのに皆がもの分かりよくて、理想の自分から理想の世界へと向かおうとしているのが嫌味だ。
戦闘シーンはよかった。飛んだりはねたり、年数をへただけの技術の進化が見える。いままでにない重要な展開で終わるのに、挿入歌がヘンすぎて続きはどうでもよくなってしまった。

新キャラクターのマリがいい!もう出てこないのかな?
人の心のヒダをなんの説明もなく、なんと繊細に描くのか。「ゆれる」の西川美和監督による久々の長編は、無医村で文字通り医者を演じていた中年男性の失踪から始まる。
人はただ信ずるものが欲しい。人によってそれは宗教や学問や愛であるかもしれない。この村ではたったひとりの医者だった。高齢化の進んだ世界でニセ医者は、都会に離れて暮らす肉親を超えて心のよりどころとなっていた。たとえそれが真実でないにしても。老人たちにとって重要なのは命を救うことではなく、最後まで命を見守ってくれることだった。
だまされていたと知ったときの村人や研修医の反応はかばうわけでも責めるわけでもなく、現代の無関心さが現れているように見える。いや何も言わないだけで、心の中では許していた。あの人の微笑みでそれが分かる。一瞬にして胸がしめつけらた。