2009年8月アーカイブ

南極の映画で思い浮かぶのは「南極物語」と「復活の日」だ。どちらも過酷で人間としての局面を見せられる物語である。一方この映画における南極では、これという事件も試練もないかのようにただただ隊員の食生活だけがクローズアップされる。日々の仕事さえ何をしているのかよく分からず、いったい南極に何をしに行っているのか?と疑いたくなるような生活を見せられる。
そのような状況下で出てくるお刺身やフル・コース、素朴なラーメンといったギャップが楽しい。「おくりびと」はじめ、あまり知られていない仕事をテーマとする映画がちらほらと見られるなか、堺雅人のほんわかとした魅力を最大限に生かした映画といえよう。
食生活には不自由しないものの家族に会えなかったり、好きなだけお風呂に入ることができなかったりと、逃げることのできない中どうしのいでいくのか。やはり人間としての局面がそこにはあった。
爽やかな感動をくれた「リトル・ミスサンシャイン」の製作チームという触れ込みで、前作と同じく「負け犬」がテーマである。
いいトシして無職の姉妹は、姉の不倫相手である刑事から事件の後処理、つまり血塗られた現場の清掃業をすすめられる。正視できないような現状にびびりつつもやりがいを見つけていくといった展開は、アメリカ版おくりびとともいえるストーリーだ。
ただ、こちらは主人公が幸せかどうかに焦点が当てられている。遺留品からつながるエピソードを膨らませることもなく、この職業でなくても成り立つ話だったのは残念だ。ヒロインに魅力がなく、ちょこっとハッピーかもしれないシングルマザーの奮闘記で終わってしまった。

同じ監督の前作「時をかける少女」がよかったので楽しみにしていた。ふらっと見ようとした日には満席となっていたのも期待感をあおった。
憧れの先輩女子からカレシ役を頼まれたことで始まる世界的事件は男子高校生の願望に満ちており、はなから引き気味になってしまう。夏休みアニメだからそこは仕方ないとして、見所はなんといっても仮想世界オズであろう。村上隆を再現したようなポップな色彩と浮遊感が楽しめる。仮想世界の分身を使ったバトルはマトリックス以後使い古された手法であるものの、今までにない感覚を受ける。先端技術の世界のなか、ある古風なアイテムで決着をつけようとするのもいい。アレに詳しければもっと楽しめただろうな。
仮想の世界といえども、テーマは人のつながりである。それがくどいくらいなんだけどぶれることなく、大勢の魅力ある登場人物で描ききったのはさすが。

これまでの監督作品のなかでもっとも竹中直人らしい映画といえよう。恨みを持って死んだ落ち武者が復活し、騒動を引き起こすという歴史ブームを活かしたコメディである。ホラーチックなお約束と、映画ファンに嬉しい小ネタが満載だ。
そんなはずじゃないのにー!というような腑に落ちない夢を見ているような2時間は、練りにねって作った感じはしないものの、まったく飽きない。なによりも楽しんで作ってるというのが伝わってくる。しっとりとしたドラマもよいが、この路線でぜひまたやって欲しい。

東北弁丸出しのお兄さんがEXILEのひとと知ってびっくり。
やめてけーれゲバゲバ